2010年代に大容量化、開発環境の使いやすさが向上したことでハードウェアエンジニアだけでなく、ソフトウェアエンジニアにも注目されるようになった『FPGA』。
FPGA(英: field-programmable gate array)は、製造後に購入者や設計者が構成を設定できる集積回路であり、広義にはPLD(プログラマブルロジックデバイス)の一種である。現場でプログラム可能なゲートアレイであることから、このように呼ばれている。
Wikipedia
FPGAについていざ勉強してみようとしても、ソフトウェア・プログラミングとは異なり、基礎知識やノウハウを学ぶ書籍は少ないです。
Amazonでも本のレビュー数は少なく、どれが良書なのか探すことが難しいです。
その中でもよくお勧めされている本が『FPGAの原理と構成』(天野英晴 編)と『【改訂2版】FPGAボードで学ぶ 組込みシステム開発入門[Intel FPGA編]』(小林優 著)の2冊です。
以前、『FPGAの原理と構成』は読み、FPGAの概要と少し深い部分を勉強できました。
概要の紹介記事も書いています。
一方で、『【改訂2版】FPGAボードで学ぶ 組込みシステム開発入門[Intel FPGA編]』はFPGAボードを使って学習していく内容だったので、なかなか手が出せずにいました。
こうした技術は手を動かさないと身につけることは難しいと感じています。
FPGAボードの購入を含め、この本でFPGAの概要および実装の勉強をするための準備をしました。
今回、『【改訂2版】FPGAボードで学ぶ 組込みシステム開発入門[Intel FPGA編]』に沿って学習を進める上で、どんな準備が必要だったのか説明していきたいと思います。
本記事で説明すること
本記事で説明することは以下の通りです。
- 本書の学習で必要なFPGAボードについて
- FPGAボードの入手方法
本書の学習で必要なFPGAボード
『【改訂2版】FPGAボードで学ぶ 組込みシステム開発入門[Intel FPGA編]』では、Intel製FPGAが搭載されたterasic社の開発ボードの「DE0-CV」、「DE10-Lite」、「DE1-SoC」のいずれかを用意する必要があります。
※以降、価格情報が出ていますが、すべて2023/9/16現在での情報になります
FPGAボードの選択肢とその特徴
それぞれの特徴を以下にまとめます。
私は、以下の理由で本書でおすすめされているDE0-CVを購入しました。
DE0-CVを選んだ理由
- 本書の説明に使用しているボードのため、読み進めるうえで予想外の問題が生じづらい
- 価格の安いDE10-Liteと約\6,000の価格差があるが、部品調達、電子工作の手間を考えると、DE0-CVの方が時短につながる
- DE1-SoCを使って何かを作る予定はない
FPGAボードの入手方法
FPGAボードはterasicのメーカー公式サイトの他、Amazonや楽天などの総合ショッピングサイト、マルツオンラインや秋月電子などの電気部品を扱うECサイトで購入できます。
残念ながら、メルカリなどのフリマアプリでは出品されていなさそうでした。
公式以外のECサイトで購入
色々調べまわった結果、2023年8月ではDE0-CVを購入する場合、マルツオンラインが\30,999(税抜き)で安かったので、私はそちらで購入しました。
2023/9/16現在も価格は変わっていないようです。
Cyclone Vを搭載したFPGA開発キットDE0-CV【P0192】(マルツオンライン)
Amazon、楽天は\37,000強(税込み)で高かったです。(よく見てみると、出荷元は同じマルツオンラインでした。)
公式サイトから購入
調査の中で、terasic社の公式サイトから購入するのが最も安いという情報が載っているブログがあったので、そちらも検討してみました。
結論から申し上げると、送料を含めると\34,031*で、マルツオンラインでの購入に比べ、数十円しか安くなりません。
台湾の倉庫から発送されるため到着まで1週間かかる点と、マルツオンラインには約\300相当のポイント還元があるため、割に合わないかもしれません。
一方で、学生の方は公式サイトで購入した方がかなり安いです。(約\26,000*で購入できる)
*2023/9/16現在のTTSレートで計算
そのため、購入の流れは見ていきます。
terasic社の公式サイトにアクセスし、左のカートのボタンをクリックします。
Pre-orderにチェックをして数量(Quantity)に”1″を入れて”Add/Update Cart”
注文者の情報を入力します。(参考までに⇒”英語での住所の書き方と注意点 | 個人宛から会社宛まで例文付きで解説”)
配送方法を選択します。速達か、通常便かの選択です
ここで送料を見てみると、”Express Delivery Service”が$35.5、International Economy Service”が$28.4です。
急ぎでなければ後者を選ぶといいでしょう。
学生の方は学校の情報を入力します。
事前にterasicのマイページで学生証をスキャンしてアップロードする必要があります。
ここまで入力したら”Checkout”をクリックし、次のページで支払情報を入力したら購入完了です。(Wire Transferは、口座から海外送金する方法で手数料も高いのでお勧めしません。)
フリマアプリでの購入
2023/9/16現在、メルカリ、PayPayフリマで出品はありませんでした。
半年近く見守っていましたが、1世代前のDE0-nanoが一つ出品されていたくらい(これもすでに売り切れ)で、総数自体が少ないのだと思います。
待っていては勉強が始められないので、あまり期待せず、新品を購入してしまっていいと思います。
価格について
残念ながら、昨今の半導体不足で価格は本書発行時よりも上がっています。
私の予想ですが、次世代のIntel製FPGA”Agilex”シリーズが発売されることになっているので、CycloneVの在庫が市場で増える見込みは少なそうです。(Intel製品紹介ページ)
私は今後、むしろ価格は徐々に上がっていくのではないかと思い、思い切って購入しました。
FPGAボード入手
マルツオンラインで購入後、数日でFPGAボードが届きました。
中身はFPGAボード本体、USBケーブル(type A)、ACコード、信号線でした。
ものが届いてわくわくしてきました!
次回は「開発環境の構築」に取り掛かりたいと思います!
それでは!
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